BERTとは?Google検索への影響とSEO対策例について解説

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BERTとは?
UPSPICE 編集部
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WEB担当者にとって、Googleの検索アルゴリズムのアップデートは大きな関心事です。さまざまなアップデートが施されていますが、そんな中でも自然言語処理技術である「BERT(バート)」のアップデートは、検索結果の精度を向上させたことで知られています。

そこで今回は、WEB担当者にとって知っておくべき「BERT」の概要について解説します。BERTの特徴やポイントだけでなく、BERTとSEOの関連性や対策方法についても紹介するので、ぜひコンテンツ制作の参考にしてください。

この記事の目次

BERTとは

BERTとは2018年10月にGoogleから発表された自然言語処理のAI(人工知能)技術のひとつです。「Bidirectional Encoder Representations from Transformers」の略で、読み方は「バート」です。

自然言語処理技術にはいくつかの種類がありますが、BERTはあらゆるタスクで当時の最高スコアを出したほど優れています。

今までの自然言語処理技術は「右から左」「左から右」など、文章を一方通行でしか読めませんでした。そのため些細なニュアンスや解釈が伝わらず、文脈が読み取れないこともしばしばありました。

しかしBERTは文頭と文末の双方向から文章を読むことができ、文章全体を俯瞰的に読み取れるのです。

このBERTはGoogleに導入されています。これまでの自然言語処理技術では複雑な検索クエリを理解できませんでしたが、BERT導入により検索クエリの文脈を正確に理解できるようになったのです。

そのため、ユーザーの検索ニーズにマッチしたWEBページを検索結果に反映させられるようになりました。

自然言語処理とは

Natural Language Processing

自然言語処理は NLP(Natural Language Processing)とも言い、人間が使用する言語(自然言語)をコンピューターが理解するための技術です。自然言語には書き言葉も話し言葉も含まれます。

NLPは自然言語を学習することで処理能力を高め、文章の意味を解析します。

自然言語処理技術は検索エンジンだけでなく、機械翻訳や文字起こしにも活用されています。身近な例だとiPhoneのSiriやAmazon Alexaにも使われており、今後さらに活用の場が拡大すると予想されているAI技術です。

BERTの特徴

BERTは他の自然言語処理機能とは学習方法や処理方法が異なりますが、それらは専門的な部分なのであまり詳しくは触れず、WEBマーケティングに大きな影響を及ぼすとされる特徴について解説します。

BERTはGoogleが採用しただけあって、優れた技術であることがわかります。では、他の自然言語処理技術と比較してどのような特徴があるのでしょうか。

それが、より文脈の読み取りが得意になった点です。先述の通り双方向から文章を読めるようになったため、単語単体の意味ではなく文脈の意味を理解できるようになりました。

それまでの単一方向で読む自然言語処理技術では、単語の順序が異なったり単語の数が多かったりすると、正確に文章を理解できませんでした。しかしBERTは双方向に読むことで文脈を理解し、自然言語特有のニュアンスや意味も分かるようになったのです。

Googleも採用しているBERT

BERTは優れたAI技術であるため注目されていますが、その背景にはGoogleが検索アルゴリズムでBERTを導入したことが大きいでしょう。そこでGoogleのBERT採用の背景と、BERTを導入したことによる成果について解説します。

Googleは2019年に実装

2018年10月に発表されたBERTは、2019年10月に英語版Googleにて導入、2019年12月に日本語版Googleを含む70以上の言語のGoogleにて導入されました。このBERT実装はBERTアップデートとも呼ばれ、過去最大のアップデートとも言われています。

Googleフェロー兼副社長であるPandu Nayak氏の記事でも、BERTの研究と適用は過去最大の飛躍だとしており、どれだけGoogleが力を入れたかがわかります。

BERTアップデートの背景

BERTアップデートが必要になった背景には、複雑化した検索クエリや音声検索での会話型クエリのニーズ拡大があります。これもPandu Nayak氏の記事のなかで書かれており、今までの自然言語処理技術ではこれらのクエリをうまく理解できなかったようです。

スマートフォンが普及して検索行動がより身近になり、検索エンジンを使ってさまざまな情報を入手するユーザーは年代を問わなくなってきました。こうした背景から、検索されるクエリも従来のようなシンプルなものではなくなったのです。

たとえばスマホで遊べるゲームアプリを探すとき、あるユーザーは「スマホアプリ ゲーム 人気」と調べるのに対して、別のユーザーは「人気のあるスマホゲームアプリ」もしくは「スマホアプリで人気のゲーム」と調べるかもしれません。

このように検索クエリが複雑化・多様化したことで、Googleは検索クエリを読み解く能力をアップデートさせる必要が出てきたのです。

さらにSiriやAlexaなどのAIアシスタントやスマートスピーカーの普及により、音声検索のニーズも拡大。音声検索では、ユーザーは会話型、つまり話し言葉での検索を行います。話し言葉は書き言葉よりも言葉が複雑化するため、人間では問題ない文脈の読み取りも、コンピューターにとっては苦手な作業となってしまうのです。

このような背景を受け、Googleは今まで苦手としていた複雑なクエリや会話型のクエリに対応するため、BERT導入に至りました。

BERT採用の成果

BERTを採用したことで、Googleの検索制度は大幅に改善されました。その成果として、Pandu Nayak氏は実例を挙げています。

それが「2019 brazil traveler to usa need a visa」(2019年アメリカにいくブラジルの旅行者はビザが必要)という検索クエリに対して表示された検索結果です。

この文章では「to」が重要となっており、本来の意味であればブラジル人がアメリカへ旅行する際のビザの情報について提示しなければいけません。しかし以前のGoogleのアルゴリズムでは「to」のニュアンスを理解できず、アメリカ人がブラジルへ旅行する際のビザ情報を表示していました。

これがBERT導入により改善され、本来の意味である“アメリカに行くブラジル人のためのビザ情報”が表示されるようになりました。

このようにBERTアップデートの結果、単語単体ではなく文脈から単語の意味を読み取ることに成功したため、検索結果もニーズにマッチするよう改善されたのです。

BERTとSEOの関連性

BERTとSEOの関連性

Googleが検索アルゴリズムにBERTを導入したということは、SEOに関わるマーケティング担当者は「検索結果にどんな影響があるのか」と気になるかもしれません。そこでBERTとSEOの関係について解説します。

ビッグキーワードや「~とは」には影響が少ない

BERTは複雑なクエリや会話型クエリで効果を発揮する技術のため、ビッグキーワードなどのシンプルな検索クエリには影響が及ばないとされています。

たとえば「東京都」「転職情報」などの単一キーワードや「SEOとは」「iPhone 機能」などのシンプルなキーワードには大きな影響はありません。

複数単語や会話文の検索で影響を及ぼす

注意したほうが良いのは、複数の単語を使用する検索クエリや会話文での検索です。今までは上位に表示されなかった記事コンテンツが、BERTにより上位表示される可能性があります。

今まで自社コンテンツが1位になっていたキーワードでも、BERTのアルゴリズムにより下位になってしまう可能性があるため、自社コンテンツの順位を注意深くチェックしましょう。

どんな検索キーワードにも対応できるコンテンツ制作が必要

検索クエリの複雑化や口語化により、自社の記事コンテンツへの流入キーワードの種類も増加すると予想されます。今まではノーマークだったキーワードで大きな流入を獲得するようになる可能性もあるでしょう。

とは言え、実際にユーザーがどんなキーワードで検索したのか一つひとつチェックして、すべてのキーワードや文章を記事に盛り込むことは困難です。

そこで、どんなキーワードにも対応できるよう、情報を充実させた有益な記事制作がポイントになってきます。ユーザーがどのような言葉で検索しても対応できるよう、検索ニーズを満たすコンテンツ作りが求められるのです。

小手先のSEO対策は通用しない

GoogleはBERT導入によって検索アルゴリズムを改善し、どんな検索クエリでもユーザーのニーズにマッチする検索結果を提供できるようになりました。

つまり、検索結果に表示されるコンテンツはGoogleが精査したものばかりになり、今まで以上にコンテンツの質の高さが求められるようになります。キーワードの含有率や外部リンクの数だけを重視し、内容が伴わない小手先だけのSEO対策では通用しません。

今後さらなる検索クエリの多様化やGoogleのアルゴリズムアップデートが予想されているため、質を重視したSEO対策をしましょう。

BERTを意識したSEO対策とは

BERTは検索結果に影響を及ぼすアップデートでしたが、WEBサイト運営者はどのようなBERT対策をしたら良いのか気になるのではないでしょうか。

結論から言うと、特別な対策は必要ありません。今まで通りに質の高さを意識したコンテンツ制作を心がけましょう。

ただし検索結果の精度が向上したため、今まで以上に質の高さが求められることに違いありません。そのためには、以下のポイントを意識しましょう。

読者の検索インテントに沿う

BERT導入により、Googleはユーザーの検索インテントを正確に把握できるようになりました。検索結果に表示されるコンテンツも、今まで以上にインテントにマッチした内容のものばかりになっています。

つまり、ユーザーの検索インテントを満たさないコンテンツは、検索結果として表示されない可能性があるのです。検索インテントをしっかりと分析し、ニーズを満たす情報を盛り込んだ質の高い記事コンテンツを作りましょう。

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ユーザーファーストの記事にする

そもそもGoogleがBERTを導入したのは、Googleのユーザビリティを向上させるためです。

Googleは「ユーザーファースト」を掲げており、ユーザーにとっての利便性を追求しています。そのため検索結果でのコンテンツの順位も、ユーザーにとって有益な記事であるほど上位になります。

つまり、サイト運営者もユーザーファーストを意識すれば、自ずとGoogleに評価されるようになるでしょう。

クローラビリティを高める

検索結果に上位表示されるためには、Googleにコンテンツを正確に読み取ってもらう必要があります。コンテンツの内容を正しく読み取ってもらえれば、複雑な検索クエリでもニーズにマッチした内容と判断してもらうことができ、検索結果に表示されやすくなるでしょう。

そのためにはGoogleが正しく記事の内容を読み取れるよう、クローラビリティを高める工夫が求められます。クローラビリティの向上には、誤字・脱字や表記の不統一など文章自体に気を付けるのはもちろんのこと、XMLサイトマップの作成やパンくずリストの設定など技術的なスキルも必要です。

今まで通り良質な記事制作を心がける

結論として、今まで通りに良質な記事制作を心がけることで自然とBERT対策になります。そのためには、ユーザーのニーズを理解しているかどうかが記事の質を左右します。

今後は検索クエリの複雑化・口語化により、自社コンテンツに流入してくるキーワードも多様化するでしょう。まずは流入キーワードを分析して傾向をつかみ、ユーザーのニーズを理解しましょう。

良質な記事コンテンツの制作ポイント

良質な記事制作やBERT対策につながりますが、どのように質の高い記事を作ればいいのでしょうか。ここからは、有益な記事を作るためのポイントについて紹介します。

キーワードの選定

まずは記事のテーマとなるキーワードを選定します。キーワード選定は記事の方向性を決める重要なポイントなので、特に注力しましょう。

検索ボリュームが多いビッグキーワードは上位を占める競合サイトの力が強いため、検索ボリュームの少ないロングテールキーワードを狙うのも一つの手です。検索クエリの多様化によりロングテールキーワードの種類も増えているため、さまざまなキーワードで記事を書いてみましょう。

またキーワード選定の際には、キーワードと共に使われやすい共起語についても調査が必要です。記事内で共起語を適切に使うことで、Googleに記事の内容を理解されやすくなります。

ペルソナ設計とニーズ分析

キーワードが決まったら、そのキーワードで検索すると思われるターゲットを設定します。ターゲット像が明確であるほどニーズも分析しやすいので、具体的な人物像である「ペルソナ」を設計すると良いでしょう。

ペルソナを設計したら、そのキーワードで検索する背景や知りたいと思う情報などを分析します。ニーズ分析で得られた情報を基に記事を作成していくため、ニーズ分析を誤ってしまうと記事の内容が有益ではなくなってしまうので注意が必要です。

ニーズ分析の際には、競合コンテンツを参考にするのをおすすめします。狙ったキーワードで上位に表示されている記事は読者のニーズに沿った内容であるため、競合記事を読むことで読者が求めている情報が分かるでしょう。

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わかりやすい構成とストーリー展開

記事はわかりやすい構成を心がけ、ユーザーにとっての読みやすさを意識しましょう。大見出しと小見出しを活用し、章や項を作って記事の流れを構成します。

骨組みとなる構成が出来上がったら、次は文章で肉付けしていきます。文章はストーリー性をもたせ、読者が離脱しないような工夫が求められます。

わかりやすい構成や本文のストーリー展開は、読者が読みやすくなるだけでなく、クローラーにとっても内容を理解しやすくなります。

E-A-Tを満たす

Googleは記事の品質を決める要素として「E-A-T」を重視しています。E-A-Tとは、以下の3つの項目を指します。

・E(Expertise)=専門性

・A(Authoritativenes)=権威性

・T(Trustworthiness)=信頼性

このE-A-Tを満たしたWEBサイトは良質であると判断され、検索順位にも反映されます。どれも一朝一夕で得られるものではありませんが、一つひとつのコンテンツでE-A-Tを意識することでWEBサイト自体のE-A-Tも向上し価値も高まります。

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独自性のある内容

Googleは独自性、つまりオリジナリティも重視しています。Googleの公式ブログでも、オリジナルで有用なコンテンツを持つサイトが上位表示されると明記されています。

つまり自社にしか書けない内容や、自社独自の視点からの記事ほど高く評価されるのです。自社の強みを洗い出し、独自性のある記事を作成しましょう。

独自性のあるコンテンツではインタビュー記事も有効です。顧客の商品導入事例や開発者のエピソードなどを取材した記事は、オリジナリティがあるため評価につながります。

また、オリジナルコンテンツはGoogleからのペナルティを避ける意味でも効果があります。Googleでは似通った記事をコピーコンテンツと判断し、ペナルティを与える可能性があります。しかしオリジナルな内容であればコピーコンテンツとは判断されず、ペナルティを避けられるでしょう。

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まとめ

スマホの普及や音声検索の広がりにより、ユーザーの検索ニーズは多様化しています。GoogleのBERTアップデートは、そんな多様化する検索ニーズを読み取って適切な検索結果を提供するために必要な技術です。

BERT導入に対応するため、コンテンツを制作するWEB担当者には今まで以上にユーザーのニーズを反映させる工夫が求められるでしょう。

まずは本記事を参考にしてBERTの特性について理解し、良質なコンテンツ制作にチャレンジしてみてください。

また、GoogleはBERTだけでなくアルゴリズムのさまざまなアップデートを実施しています。アルゴリズムの変更は検索順位にも影響するため、WEB担当者は気になることでしょう。アルゴリズムアップデートの影響を受けにくくするためには、高品質でユーザーに必要とされる記事制作しかありません。

とはいえ、自社で良質な記事制作のノウハウやリソースがない場合もあります。そのようなときは記事作成の外注も一案です。

株式会社UP SPICEではクライアント様の記事制作を支援しております。キーワード選定から構成作成、記事執筆から校正・校閲まで承りますので、社内にライティングリソースがなくても安定して高品質な記事をアップできます。

気になるWEB担当者さまは、ぜひ一度お話をお聞かせください。

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