2018/01/12

初心者にもわかりやすく「PEST分析」をドリカム『未来予想図Ⅱ』で例えて解説

イメージ写真 「未来予想図」という単語を連想させる、「DREAMS COME TRUE」と書かれた砂浜の写真

マーケティング入門者、初心者が「なんだか難しそう!」と感じてしまいそうな「PEST分析」を、ビジネスシーンではなく、DREAMS COME TRUE(ドリカム)『未来予想図Ⅱ』の歌詞から新婚家庭に置き換え、身近な話として、やさしく解説していきます。

愛よりもお金が大事? 2人が生涯幸せに暮らすために必要な最低金額は2億3,698万2,480円

ドリカムの「未来予想図Ⅱ」とPEST分析って関係あるの?

もちろん、直接は関係はありませんが、PEST分析とは未来を予想するための分析手法ということで、同じ未来繋がりで多くの人が共感したこの曲をリンクさせて考えることにしました。
それでは早速、「未来予想図Ⅱ」の歌詞の一節を確認してみましょう。

 

とても有名なフレーズですよね。さてこの歌詞がハッピーエンドとなったとしてこの後、二人はめでたく結婚したと仮定しましょう。ヴォーカルが吉田さんなので、今回は吉田家の話として進めていきます。
この時の二人はラブラブ絶頂期です。未来予想図に全く不安な要素はありません。生活も少し落ち着けば、厳しい現実を知ることになるのでは…。果たして、吉田家の2年、5年先、未来はどうなっていくのでしょうか?

やっぱり愛でしょう! いいえ、結婚生活を経験してきた私から言わせていただければ愛だけでは結婚生活は長続きしません。残念ながら。吉田家が幸せになるために必要なのは、まさに愛よりお金なのです。

ここでは、愛以上に吉田家が最高の幸せを掴むためにマストである『家計を守る』というテーマについて考えていきたいと思います。

一気に現実に話を戻します。総務省統計局の家計調査年報2016年度の家計収支編によると、2人以上の世帯の消費支出の月平均額は282,188円、一年なら3,385,464円。もちろん多少の前後はあるとしても、吉田家の2人が現在30歳とした場合、人生100年時代を想定し、100歳まで単純計算すると236,982,480円が最低でも必要な金額と考えられます。

まずは、地道に働く。コツコツ貯金をするという自分達の努力は必要です。しかし、自分達の努力だけで、どうにもならない危機的な状況に陥るのも人生です。吉田家に影響を与えるかもしれない状況を把握し、対策をとることが、最高の幸せに導くための近道かもしれません。

さあ、ロマンチックな歌詞の世界とは異なる、人生100年計画を見据えた、リアルな未来予想図について考えてみましょう。

 

リアルな未来分析ってどうすれば良いの? そんな時にPEST分析です

リアルな未来予想図を描く際に役に立つのが、今回のテーマにあげている「PEST分析」です。それでは一体、どんなものなのでしょうか?こちらの分析手法は、経営学者であるフィリップ・コトラーが提唱しているマーケティングにおけるビジネスフレームワークで、分析の際に使用する4つの英単語の頭文字をとってPEST分析と呼ばれています。

  • P:Politics(政治)
  • E:Economy(経済)
  • S:Society(社会)
  • T:Technology(技術)

 

一般的にPEST分析とは、『外部環境のうち自社で統制することのできないマクロ環境を分析することにより、今現在、未来にどのような影響を与えるのかを把握・予測し、新規ビジネスやサービスなどのジネスチャンスに活かすことができる分析手法』と定義されています。

しかし、これだけでは具体的にどのようなメリットがある手法かよくわからないですよね。そこで具体例を出しながら、噛み砕いて説明をしていきます。

 

先行きは不安定? 吉田家の未来予想図をPEST分析で描く

現在30歳となった吉田家のケースに当てはめてみたいと思います。
30歳を迎えた2人は共働きのため、生活には少し余裕があります。2、3年後、子どもが生まれたり、生活費や学費など家計の負担増になったり、マイホームを買うなどは想定できると思います。これらは、自分達でコントロールできる未来予想図です。

一方、震災やバブル崩壊など、自分達ではコントロールできない未来が待ち受けているかもしれません。このような未来をマクロ環境で予測することが、強固な吉田家の『家計を守る』鍵となり、最高の幸せに導いてくれるはずです。備えあれば憂いなしです。

では実際に、PEST分析してみましょう!

政治面から予測 『P』

2019年自民党総裁選、安部政権続投? → 国内は安定
トランプ政権は?EUは? → 世界は不安定
2025年小泉(Jr)政権が誕生?

経済面から予測 『E』

2019年消費税10%へ増税 → 家計負担増し
2020年少子高齢化 → 日本経常赤字
2025年労働力が475万人不足 → 日本経済後退
2030年シニア労働市場 → 75歳定年制度

社会面から予測 『S』

2020年出産、育児期にある25-44歳女性の就業率が73% → 待機児童ゼロ
男性の育児休業取得率が13%(約10倍) → 必ず夫婦どちらかが働ける状況
2025年社会 少子化により年金制度が財政的な危機に陥る → 年金の不安
介護ロボットや家事ロボットの普及 → 介護問題解決、時間の確保
医療・介護サービスの水準を維持 → 20歳以上の年間負担額が約3割(41万円)増加
2030年10年以内に南海地震と東海地震が相次いで発生する(2030年代) → 震災リスク
世界的な水不足 → 水を買う時代
ロボットの普及で「1日3時間労働」が実現、週15時間の労働ですむ社会になる → 自由な時間はできるが、収入減?

技術面から予測 『T』

2020年ドローン、製造・医療・介護でのAI、電気自動車の普及
家電を声で操作する低コストなAIの普及
2025年先進国でロボットの人口が人間より多くなる
2030年超小型ロボットが長寿に貢献するようになる
人工知能(AI)が病気を予防し、疾病を早期発見→長寿社会になる

分析の結果を並べてみると、残念ながら吉田家にとって明るいトピックスはなさそうです。それでは夢見ていたような未来予想図を描くことはできないのでしょうか?

いえいえ、本来PEST分析とは見えていなかったリスクを浮き彫りにし、それに対して事前対処することが目的なのです。2年、5年、10年後リスクを知ることで、今後の吉田家の『家計を守る』というのが目的です。リスクを織り込んで、将来を見据えれば、吉田家が不幸せになることはないだろう、あわよくば最高の幸せに到達できるのではないかという考えです。

 

見えてきた! 人生100年計画を見据えた吉田家の戦略

今のままでは、明るい未来予想図を描くことはできない吉田家。そこで見えてきたリスクに対してどうすれば良いかを2人は考えます。人生100年計画を見据えた吉田家の戦略とは。

今から2年後は、オリンピック効果で、サービスの向上、好景気が期待できますが、その後の、景気後退に注意しないといけません。5年後は、翳りはあるものの、まだ何とかなりそうです。さらなる税金の負担増は家計を圧迫しそうです。10年後はかなり、厳しい状況です。もし10年後になくなる仕事についていた場合、確実に失業します。夫婦ともに失業したら、最悪です。消費税、所得税をはじめ、新しい税金の負担が確実に増えるので、いくら働いても家計は増えません。75歳定年制度、一生働きバチになる可能性もあります。生活費の中で、ガス代、電気代、水道代に並んで、ロボット代?がかなりの金額を占めるかもしれません。

地震、火災保険は、忘れずに入った方がいいでしょう。収入が減るのと同時に、結婚生活の危機もこの時期、訪れそうです。将来に備えた貯蓄の計画や運用は、もちろんですが失業だけは避けたいものです。

吉田家が絶対にやらなければいけないことは、AIで代替されることのない仕事ができるような環境を今から整えておく事です。とりあえず今の仕事をしながら、どんな仕事に人がする仕事として価値が見出されるのかを把握し、それを実行できるよう準備をし、将来に備えることが最善策だと思います。大きく変革する将来の危機を乗り越え、吉田家の二人には、多くの人間が感動した歌詞の通り“何年たっても変わらぬ気持ち”でいて欲しいものです。

もしこのPEST分析が完璧に機能すれば『未来予想図Ⅱ』の歌詞にある通りですね。未来を予測するPEST分析は、まさにDREAMS COME TRUEかもしれませんね。