インタビュー記事の書き方|取材から執筆までの流れと面白くするコツ

コンテンツマーケティング

  • 投稿日
  • 編集日
インタビュー記事の書き方
UPSPICE 編集部
UPSPICE 編集部

「掲載記事がワンパターンに見える」「そろそろネタ切れを感じてきた」など、オウンドメディア運営についてこのようなお悩みをお持ちであれば、新しいカテゴリーとしてインタビュー記事の掲載を検討してみてはいかがでしょうか。

ただし、インタビュー記事は完成までの道のりが通常の記事とは大きく異なるため、これまでとは違った知識・手配が必要です。そこで今回は、インタビュー記事について、その概要や取材・執筆などの作成手順、記事をより良くするためのポイントを解説します。

オウンドメディアのマンネリ・ネタ切れ打破に、ぜひ参考にしてみてください。

この記事の目次

インタビュー記事とは

インタビュー記事とは

インタビュー記事とは、対象者との質疑応答や対談など、取材によって得られた情報から作られた記事のことを指します。
自社の商材を使ったことのある顧客や商品開発者などが取材対象となることが多く、信ぴょう性の高い「生の声」が記事になる、というのがインタビュー記事の特徴です。また、取材対象者それぞれ、十人十色の意見が反映されることから独自性のある記事にもなります。

ちなみに、用語としては取材対象者をインタビュイー」、取材をする人を「インタビュアーと呼びます。

インタビュー記事が担える役割

ここでは、インタビュー記事がどのような目的に対して有効なのか、その役割について解説します。目的によって取材対象者や取材内容もそれぞれ異なるため、自社のメディアにどのようなインタビュー記事が必要か検討しましょう。

商材の販促

「お客様の声」として、自社の商材を利用している取引先や顧客に取材をおこない、活用方法や利用した効果などを記事化します。実際に利用している顧客の感想を紹介するため信頼度が高まり、購入・導入を検討しているターゲットに対しての訴求に効果的です。

採用・自社ブランディング

自社の経営者や社員を取材対象とした企業理念や職場環境についてのインタビュー記事は、自社ブランディング、ひいては採用活動の強化につながります。文章だけでなく写真も効果的に使えば、より会社の魅力が伝わるコンテンツになるでしょう。

商材の認知拡大

商材のアピールやブランディングを目的とする場合、その商材の開発担当者に取材したインタビュー記事が効果的です。開発の裏話やエピソードなどを中心としたストーリー性のある記事に仕上げることで、読み手の感情移入を誘い興味を持たせるきっかけになります。

インタビュー記事の形式

インタビュー記事の形式

インタビュー記事の形式は、主に3パターンに分類されます。記事の目的や読みやすさなどによって最適な形式を採用しましょう。

対談形式(Q&A)

インタビュアーの質問に取材対象者が答えていく形式です。実際に会話をしているような自然体の話し言葉を用いることが一般的なため、親しみやすく臨場感のある記事に仕上がります。一問一答となるためいくつかのトピックスをひとつの記事にまとめやすく、目的を問わず広く使いやすい形式です。

【例】
-この度はMVP受賞おめでとうございます。
ありがとうございます。今回の試合では、自分の持ち味を発揮したプレイをすることができたと思います。ただし、終盤はペースを崩してしまったことが残念でした。

-確かに試合終盤は得点がなかったようですね。息が上がっていたようですが、そのことが原因ですか?
そうなんです、スタミナ不足で集中力が切れてしまいました。チームとしてはベストな状態だったので、完全に僕の責任ですね。今後はさらに体力強化をしていこうと思っています。

モノローグ形式(一人称)

インタビュアーの存在を消し取材対象者が一人で話しているようにまとめる形式で、一般的には「です・ます」調の会話体でまとめます。本人になりきった文章となるため人柄やメッセージを表現しやすく、経営者の経営理念や開発者の開発エピソードなどと親和性が高い形式です。

【例】
今回の試合では、自分の持ち味を発揮したプレイをすることができたのでMVPを受賞することができました。しかし試合終盤はスタミナ不足で集中力が切れてしまい、ペースを崩してしまったことが課題です。僕個人の課題でチームの状態を下げるわけにはいかないので、今後は体力強化に励みたいと思います。

ルポ形式(三人称)

第三者の立場からルポルタージュ風にまとめた形式です。「だ・である」調で論理的な流れにできるほか、取材対象者の表情や仕草も文章にできるため、客観性があり情報量の多い記事を作れます。ただし、全体的に固い印象を読み手に与えるため、取材対象が著名人の場合など使い所が限定的な形式だといえるでしょう。

【例】
今回のA選手は本当にすごかった。持ち味を活かしたプレイで得点を重ねMVPを受賞したのだ。しかし試合後の彼に会うと、その表情は少し暗かった。理由を尋ねてみると、試合終盤でスタミナがなくなり集中力が切れてしまったという。確かに試合終盤、彼の得点は0。チームがベストな状態だからこそ、自分の課題でチームのモチベーションを下げたくないと彼はつぶやいた。

インタビュー(取材)の事前準備の流れ

インタビュー事前準備の流れ

ここでは、インタビューにあたっての事前準備を流れに沿って解説します。

良いインタビュー記事を書くためには、取材対象から質の高い情報を引き出す必要があります。取材当日に行き当たりばったりの取材をしてしまっては、記事のネタとなる情報を手に入れることができません。入念に事前準備をして当日を迎えましょう。

1.目的と取材対象を決める

まずは、インタビュー記事の目的を明確にしましょう。目的が不明瞭なままでは、そもそも取材対象者を決めることもままならず、できあがった記事も要領を得ないものになりがちです。

目的が明確になれば、お客様なのか社内の人間なのか、取材対象者がおのずと絞られてきます。また、取材対象者の人柄やインタビュアーとの関係性によっても事前に準備すべき内容が変わってきます。お客様に取材する場合は、導入している商材や売上だけで判断するのではなく、営業担当者にもヒアリングをして取材を受けてくれそうなクライアントを探しましょう。

2.アポイント

取材対象者が決まったら、取材を受けてくれるかどうかアポイントを取り、場所と日時を決めます。

社内の場合は自社の会議室などを利用できますが、社外の人間に取材する場合は取材場所についても柔軟な対応が必要です。自社に招くこともできず、相手方にインタビューに適した環境がなければ貸し会議室など外部の施設をこちらで用意しなくてはなりません。カフェなどを利用する方法もありますが、ボイスレコーダーに雑音が入る、写真撮影ができないなどのデメリットも考慮しましょう。

また、写真撮影はNGなど、取材対象者側の意向とこちらの希望が合致しているかもこの段階で必ず確認しなくてはなりません。

3.徹底的な事前リサーチ

無事にアポイントが取れたら、取材対象者について徹底的にリサーチをおこないます。

取材対象者について深く知ることで質問の精度も高まり、得られる情報の質も大きく向上するでしょう。とくに、専門的な分野に特化した人物取材をする場合は、インタビュアーも知識を持ち合わせていなければ会話にすらならない場合があります。専門用語や必要最低限の知識は押さえておきましょう。

また、お客様に取材する場合、導入商材と導入期間は重要な情報です。顧客管理ツールで確認したり、営業担当者にヒアリングしておきましょう。

質問内容を決める

リサーチした情報を基にして、当日の質問内容を決めていきます。

目的やテーマによって質問内容は異なりますが、こちらが欲しい情報をインタビュアーが自然に引き出せるよう順番も含めて質問を組み立てておきましょう。例えばオウンドメディアでよく取り上げられる「お客様の声」のインタビュー記事の場合、以下のような流れで質問していくとスムーズに進めることができます。

  1. 課題:導入を検討するきっかけとなるバックグラウンドを聞く
  2. 導入理由:導入の決め手となった他社製品との違いやメリットを聞く
  3. 導入後の運用:導入してからどのように運用しているのかを聞く
  4. 効果:導入したことでどのような効果を感じているのかを聞く

また、核となる質問項目はもちろん重要ですが、その核となる質問にスムーズにつながる副次的な質問も用意しておきましょう。例えば、いきなり「なぜ当社の製品を選んだのか」という質問をするよりも、その前に「製品を選ぶ際に、どのようなポイントに注目しましたか?」というワンクッションを挟むことで流れが自然になります。

なお、取材当日は取材対象者が緊張してしまったり話に詰まることも考えられます。停滞した時間を最小限にするために質問項目は多めに考えておくと安心です。

5.取材内容を共有する

質問項目が決まったらこれまでに決まった内容を含めた企画書を作成して取材対象者に送付しましょう。なお、インタビュー当日の録音データや撮影データの用途についても同時に伝えておくべきです。

事前に共有しないまま取材に入ると取材対象者の準備ができておらず回答に時間がかかってしまったり、取材対象者が訊かれたくない事柄に触れてしまう危険性もあります。

インタビュー(取材)当日に必要なもの

インタビュー当日に必要なもの

ここではインタビュー当日に必ず持参すべきものをご紹介します。

インタビュー記事を執筆する際に見直し・聞き直しできるような機器をはじめ、以下は最低限必要になってくるものです。なお、電子機器についてはバッテリーの管理も欠かさずおこなっておきましょう。

    • ボイスレコーダー(複数台)

スマホを代用することも可能ですが、電池切れや取材中にスマホの操作が必要になる状況も考えられるため、録音機器はボイスレコーダーが最良です。また、取材対象者が複数人同席する場合や取材対象者と距離があり1台では声が届かない状況、さらに予備も含めて3台ほど用意しておくと良いでしょう。

    • パソコンorメモ(質問事項を印刷したもの)

インタビューの回答をメモできるよう、パソコンもしくは質問事項を印刷したメモを持参しましょう。手元に質問事項のメモを置いておくことで台本代わりにもなり、安心感にもつながります。

    • カメラ

カメラマンが同席しない場合はインタビュー記事用の写真を自分で撮影する必要があります。録画機能のあるカメラを定点で設置しておくと、保険として音声の録音もできますし、場面を切り取って写真にすることもできるので便利です。

    • 名刺

初めて会うお客様の場合は、必ず名刺も持参してください。ビジネスの基本として忘れないよう気をつけましょう。

インタビュー(取材)をスムーズに進めるためのコツ

インタビューをスムーズに進めるためにはいくつかのコツがあります。

取材対象者が気持ちよく質問に答えられるように配慮することでより有用な情報を引き出せたり、時間切れによる情報不足を回避できます。インタビュー中は以下を意識しながら進めましょう。

アイスブレイクで緊張を解く

顔を合わせてすぐに本題に入っては、取材対象者の緊張を増幅させてしまったり、本音のない形式的な回答ばかりを返されてしまう可能性があります。まずは取材対象者との距離を縮めるためのアイスブレイク(場を和ませるコミュニケーション)から始めましょう。

取材中は興味を持って話に聞き入る

インタビュー記事のネタになる質の高い情報は、淡々とした質疑応答よりも盛り上がった会話から得られるものです。取材中は取材対象者が気持ちよく話せるよう、インタビュアーが興味を持っている態度を示すことが何より重要だといえます。

タイムコントロールをする

その日に確保している時間が60分だとすると、取材前後の挨拶や写真撮影など除くと45分程度が取材自体の時間となるでしょう。限られた時間で聞きたい内容を聞くために、インタビュアーがタイムコントロールしなくてはなりません。

取材を盛り上げることは大切ですが、盛り上がりすぎて時間が足りなくなり、記事のネタとなる話題を聞けないまま終わってしまっては意味がありません。ひとつの質問の回答が長引いたり、話は脱線してしまったりすることもあるため、インタビュアーが適宜質問などを挟みながら誘導していきましょう。

メモを取ることに集中しない

取材対象者の話を聞きもらさないようにメモを取ることは大切ですが、それだけに集中してしまっては話が途切れてしまったり、取材対象者に事務的な印象を与えてしまいます。書くスピードよりも話すスピードのほうが早いので、すべてメモを取ろうと思わず「録音データがあるから大丈夫」くらいの気持ちで進行しましょう。

既知の情報についての質問は避ける

すでに業界的に常識とされていることや世間的に周知されている情報についての質問は、時間を無駄にしてしまうだけでなく取材対象者に「またこの質問か」などと不快な印象を与えてしまいかねません。インタビュアー側にリテラシーがあることを示すためにも、既知と思われる情報を単体の質問として投げかけることは避けましょう。

前提知識がない読み手に向けてのインタビュー記事を作成する場合は「業界内では〇〇という状況が一般的ですが~」など、インタビュアーの質問に情報を含めてしまえばスマートです。

インタビュー記事の作成手順

インタビュー記事の作成手順

取材が終わったら、いよいよインタビュー記事の執筆に進みます。ここからはインタビュー記事の書き方を一つずつ解説します。

1.文字起こし

録音データを聞きながら文字起こしをすることから始めましょう。10分程度の音源を文字起こしするには、平均して約1時間必要だといわれています。取材の録音データが長いほど文字起こしの工数もかかるので、最初に工数の見積もりをしてから始めましょう。
もし文字起こしに時間をかけられない場合は、クラウドソーシングサービスなどで外注する方法も一つの手です。
文字起こしの方法は主に3つあります。必要に応じて選びましょう。

    • 素起こし

話した言葉をそのまま書き起こす方法です。「あー」や「えーと」などの言葉や、言い間違った言葉など、発した言葉を全て文章化します。

    • ケバ取り

素起こしでは含める「えー」「えっと」などの意味のない言葉を取り除いて書き起こす方法です。

    • 整文

ケバ取りした文章をさらに読みやすくする文字起こし方法です。例えば「知りませんでした、私、そのこと」という話し言葉を「私、そのことを知りませんでした」と書き換える作業などが含まれます。

2.インタビュー記事の構成を考える

文字起こしした内容や取材メモ、当日の録画データなどを見返しインタビュー記事の構成を組み上げます。取材中に聞き漏らしていた言葉や脱線したところが記事のネタになることもあるので、取材内容をじっくりと見返すことも忘れてはいけません。

例えば「お客様の声」の構成であれば、質問項目と同様に「課題」→「導入理由」→「導入後の運用」→「効果」という順序にするとスムーズに展開します。大見出しや小見出しを作り、読みやすく構成しましょう。

ただし必ずしも取材で聞いた順序で構成する必要はなく、読み手に伝わりやすくするために取材内容の順番を入れ替えて書いても問題ありません。このとき、対談形式・モノローグ形式・ルポ形式のうちどの形式にするかも選択しましょう。ビジネスのインタビュー記事はどの形式でも構いませんが、対談形式が最も書きやすいのでおすすめです。

3.執筆

文字起こしした内容や構成を基にして、記事を執筆していきます。話し言葉をそのまま書くと意味が伝わりにくくなってしまうので、必要に応じて主語・述語を入れたり助詞を加えたりしましょう。言い回しや表現などを修正し、文章として読みやすくなるように調整していきます。

ただし、取材対象者が発していない言葉を書くことは嘘になってしまいます。執筆していると「もっと良く表現したい」と思ってしまって過剰に修正しすぎてしまうこともあるため注意しましょう。

4.校正、編集

執筆が完了したら、誤字・脱字のチェックや文章としておかしなところがないか確認しましょう。自分で確認することも大事ですが、第三者にチェックしてもらうことで自分が見落としていたポイントに気づくこともあります。

5.取材対象者へ最終チェックを依頼

校正と編集が終わったら、取材対象者にインタビュー記事の内容をチェックしてもらいましょう。修正してほしいという要望があれば、その内容を反映します。なるべく完成形に近い形を見てもらうことで修正回数を減らすことができるため、文章と写真を入稿したプレビュー画面を提出することをおすすめします。

 

インタビュー記事を面白くするコツ

インタビュー記事はちょっとした工夫で面白くすることができます。興味を持って読んでもらうために、インタビュー記事を作成する際には以下のコツを押さえましょう。

振り返るときにはインパクトのあるフレーズを見つける

取材内容を振り返るときは、当日の流れや雰囲気を思い返すだけでなく取材対象者の発言をひとつひとつ丁寧に確認していきましょう。インパクトのあるフレーズや印象に残るキーワードを見つけられれば、記事の軸となったりタイトルや見出しに使用できます。

記事冒頭には企業情報や取材対象者の情報を入れる

読み手がスムーズに記事の内容を読み進めることができるよう、インタビュー記事の冒頭には取材対象者の企業情報や本人の情報を入れることをおすすめします。

読み手が「どんな業界でどのような事業をしている会社が導入しているのか」「どんな役職でどのような仕事をしている人が利用しているのか」という情報を事前に把握しておくことで、グッと興味を引くことができるでしょう。

取材対象者の人柄が伝わるエピソードも取り入れる

インタビュー記事は、取材対象者の人柄が伝わるように書くことで親しみが生まれ、読み物としてさらに面白くなります。

例えば「なかなか部下の協力を得られなかったから、一人ひとりとミーティングをして説明した」というエピソードを付け加えるだけで、取材対象者の真面目で誠実な人柄が伝わります。

読みごたえのあるインタビュー記事のご依頼はUP SPICEまで

私たち、株式会社UP SPICEでは、インタビュー記事の制作代行をおこなっております。

読了率の高いコンテンツを得意としており、インタビュー記事も読みごたえやストーリー性の高さを意識して作成しています。
取材から執筆まで一貫してご依頼いただけますので、インタビュー記事が初めての方や取材が苦手な方はぜひご相談ください。

豊富な取材経験のあるスキルのあるライターも多数在籍しております。
また、プロのカメラマンによる撮影手配も可能です。

対面・WEBでのオンライン取材ともにお任せください。鼎談や座談会などの話者が多いもの、専門的な内容になるものもご対応可能です、
お問い合わせは電話・メールどちらでも受け付けております。お気軽にお問い合わせください。

UPSPICE 編集部

UPSPICE 編集部

多様な記事制作の実績をもつUP SPICEP(アップスパイス)のノウハウを生かし、WEBマーケティング、主にコンテンツマーケティングにおけるあらゆる課題や悩みを解決するコンテンツを提供しています。

記事検索

カテゴリー

Contact お問い合せ

弊社にご関心をお持ちいただきまして、誠にありがとうございます。案件のご相談や料金のお見積もりなど、お気軽にお問い合せください。
担当者よりご連絡させていただきます。

お電話でのお問い合せも承っております。

03-6824-0740

営業時間:10時〜18時(土日祝休み)

Download お役立ち資料ダウンロード

コンテンツマーケティングの実務に使える「お役立ち資料」を、無料でダウンロードいただけます。
ぜひご活用ください。

TOP

CONTACT